千葉県いすみ郡の大多喜町は、房総半島の中央部にある自然豊かな場所です。
大多喜町といえば、町を流れる養老川からなる「養老渓谷」は関東屈指の紅葉スポットとして有名です。また、大多喜の美しい田園風景の中を走るローカル線「いすみ鉄道」は、国鉄時代を感じさせる運営方針や斬新なイベントが話題を呼び、全国から多くの観光客が訪れるようになりました。徳川四天王であり戦国最強の武将といわれた本多忠勝の築いた「大多喜城」も、近年の歴史ブームや真田丸などから注目が高まっています。
圏央道も開通し都心から1時間弱で来れるようになった事から、千葉のドライブルートとしても人気です。
大多喜町公式ホームページ http://www.town.otaki.chiba.jp/
新たに注目されつつある魅力、大多喜の天然ホタル
そんな大多喜町ですが、最近になって新たな要素が人気を博しています。それは、天然のホタルが沢山みられる事です。
大多喜町のホタルスポットでは、毎年時期になると天然ホタルが発生します。毎年の気温や天候によって変化もありますが、ベストタイミングに当たれば数えきれないほどの天然ホタルが乱舞する幻想的な光景をみることができるでしょう。
大多喜町は安定した水質をもつ渓流があるため、ホタルが生息するのに最適な環境を保っています。ホタルは水の綺麗な所にしか生息することができないので、関東でも天然のホタルがみられる場所は減ってきています。そのためか以前は知る人ぞ知るスポットだった大多喜のホタルも、最近は遠方から見に来る人が多くなってきています。
2016年6月公開の有村架純さん主演の映画「夏美のホタル」では、大多喜町がロケ地に使われ、大多喜のホタルが重要なモチーフとして登場します。そのくらい魅力的な光景を是非生でみて頂きたいものです。
ホタルをみるために知っておきたいこと
ホタル鑑賞のスポット
大多喜のホタル鑑賞のスポットですが、現時点で大多喜町としては環境保護の面から、正確な場所を公式に公開することは控えているようです。例年行われていた「いすみ鉄道ホタルウォッチングトレイン」も休止となりました。
現在では養老渓谷旅館組合に属する旅館の宿泊客向けに、各旅館がホタルスポットへご案内する「ホタル秘密の穴場ツアー」や、品川駅からの高速バスで行く「ホタル鑑賞バスツアー」等が限定的に展開されています。
しかしながら平沢地区では、近年は駐車場も満杯で渋滞がおきるくらいのお客さんが来ています。どうやら主だるホタルスポットは口コミで広がっていっているようです。
「夏美のホタル」の公開で、今後大多喜のホタルは更に注目される事になりそうです。大多喜町には、環境を守りつつホタルを観光資源として活用できる体制を、どうにかうまいことつくりだしてほしいです。
ホタル鑑賞の時期
大多喜のホタル鑑賞に適した時期は5月の下旬から6月中旬あたりと言われています。筆者の経験では6月の1週あたりが良かった事が多いですが、毎年の気温や天候によってベストタイミングが変わるため、正確には言えません。時間としては19:30~20:30くらいが最もホタルが活発だと言われています。但しスポットによってはその時間に車がとても混む事があるので、日が落ちる前の19:00前くらいに駐車場着いておき、散歩しながら暮れるのを待つのもいいかもしれません。
大多喜のホタル感想
筆者は毎年大多喜のとある場所へホタルを見に行っていますが、日時のタイミングが合えば1000匹を超えるホタルが乱舞することもあり、見応えがあります。そしてやはり、養殖ではない天然のホタルという所に趣を感じます。
ホタルは光をシンクロさせる習性があり、時々何百匹もの点滅がシンクロすることがあります。私が以前見た時は何百という蛍が木に集まり、一斉に光っては消えという幻想的な光景を目にすることができました。思わず感嘆の声が出るほど美しい光景でした。
今年はホタルの発生が早かったようで、1週間ほど時期を外してしまってホタルの数は多くありませんでした。ただ、多い時も派手でいいのですが、チラホラとしか出ていない時も大多喜の渓流とホタルの光がマッチするので、それも風情があって好きです。
ホタル観賞目的の観光客も年々増えてきていて、今年は人が多くて少し疲れました。来年は養老渓谷温泉郷の中の旅館のどれかに泊まって、浴衣で夕涼みがてらゆっくりとホタル鑑賞を楽しむのもいいかもしれない、と考えています。
ホタルを鑑賞の際に気をつけたいマナー
一般的なマナーを守る
ホタル鑑賞は夜なので大きな声で騒いで周辺住民の迷惑にならないようにしましょう。酔っ払い歩き、暗い中の歩きタバコなども他の人にぶつかると危険なのでやめましょう。また、タバコやゴミのポイ捨てはホタルの生息環境に簡単に深刻なダメージを与えてしまうので絶対に控えたいところです。
変な所に立ち入らない
ホタルの生息地域は水辺が主です。川沿いなどは危険なので、立ち入りが許可されていないところに勝手に入らないようにしましょう。また、私有地や民家に間違えて入らないように注意しましょう。無断駐車もしないようにしましょう。迷惑になるのは勿論、シーズンにはパトカーの巡回もあるようで駐禁をとられてしまいます。
強い光を発さない
スマホの光やカメラのフラッシュや電灯の光などをホタルや人に向けないようにしましょう。ホタルは強い光を嫌いますし、他の見に来ている人の迷惑になります。皆暗い中みているのでスマホの明かりなどすぐわかり顰蹙をかうことうけあいです。尚、ホタルを普通のスマホやカメラで撮影するのはかなり難しいため無理だと思います。
ホタル観賞と併せて行きたい、大多喜のスポット
レストラン・キハ
いすみ鉄道が展開するレストラントレイン・キハ。昭和の国鉄形気動車キハ28や、ムーミン列車の車内テーブル席で食事をしながら、房総ののどかな田園風景を走るローカル線の旅が楽しめます。伊勢海老など房総の新鮮な海産物を使ったコースが、シニアだけでなく若い層にも人気です。
いすみ鉄道株式会社 レストラン・キハ
http://www.isumirail.co.jp/restaurant-kiha
養老渓谷温泉郷
養老渓谷周辺は温泉スポットでもあります。自然に囲まれた静かな旅館が多くあり、騒がしい日常を忘れるのにはぴったり。敷地のすぐ近くでホタルをみれる旅館もあるので、一泊してホタル観賞など素敵だと思います。日帰り温泉や足湯もあるので、ドライブの途中にもいいかもしれません。
養老渓谷旅館組合
http://yorokeikoku.com/
養老渓谷周辺
紅葉が有名な養老渓谷ですが、6月あたりでも十分楽しむことができます。ハイキングや滝めぐりのコースがあるので散策してもいいですし、バーベキュー場や川遊びができる場所もあるのでファミリーで行くのにもいいでしょう。カブトムシやクワガタなど昆虫採集にも向いています。
養老渓谷観光協会
http://www.youroukeikoku.com/spot/
大多喜の近くのホタルがみれるスポット
ホタルはみたいけど、一泊できないしツアーに参加するのはちょっと…という方もいるでしょう。大多喜からほど近い場所でも、ホタル鑑賞のイベントが開催されています。
長南町山内ホタル祭り
大多喜の隣町である長南町山内地区にある“日本一行きにくい秘境にある激ウマラーメン店”としてメディアでも有名な「アリランラーメン八平」の場所で毎年6月初旬に行われているほたる祭りです。山内地区はホタルの生息地としても知られ、6月中旬には長南町が主催するホタル鑑賞会も行われています。期間内は長南町役場から無料送迎バスが出ます。
アリランラーメン公式HP ほたるまつりin山内
https://ariranramen.com/
長南町公式ホームページ ホタル観賞会および写真コンテスト
http://www.town.chonan.chiba.jp/shoukai/event/13364/
いすみ市源氏ぼたるの里
大多喜にほど近い地区いすみ市山田では「源氏ぼたるの里」というホタルの生息地があり、5月下旬から6月中旬までホタルが鑑賞できます。例年5月の最終週にはほたる祭りが行われ、露店なども出店して賑わいます。※ほたる祭りの期間以外でもホタルを鑑賞することはできます。
いすみ市観光協会 源氏ぼたる鑑賞の夕べ
http://www.isumi-kankou.com/event/hotarumatsuri.html
源氏ぼたるの里(千葉県):ホタル観賞に行こう:るるぶ.com
http://www.rurubu.com/season/summer/hotaru/detail.aspx?SozaiNo=120002
ロマンの森共和国
大多喜町の隣の君津市にあるロマンの森共和国は、様々なアクティビティが体験できる大規模レジャー施設。アスレチックなどからキヤンプ場やホテルなどの宿泊施設もあり、家族で一日中遊べます。ホタルの人工飼育に力を入れており、毎年5月下旬~7月上旬にはホタル観賞の夕べというイベントを開催しています。ミニコンサートや宿泊付きプランもあり。
千葉県南房総で子供と大人が一緒に遊べる大自然の国、ロマンの森共和国
http://www.romannomori.co.jp/
ロマンの森共和国(千葉県):ホタル観賞に行こう:るるぶ.com
http://www.rurubu.com/season/summer/hotaru/detail.aspx?SozaiNo=120005